PowerPoint2010のビデオ保存機能

今回はβ版が公開されているPowerPoint2010のビデオ保存機能についてです。

eラーニングではコンテンツとしてPowerPointをベースに作成する場合が多いです。

  • PowerPointとビデオ映像を表示するセミナー形式のコンテンツ
  • PowerPointのアニメーションを駆使したFlashライクなコンテンツ
  • PowerPointに音声を追加したコンテンツ

Web上でPowerPointの資料を表示することになるのですが、ユーザがPowerPointを所有していない事を前提に表示する必要があります。PowerPointのHTML出力機能がありますが、ActiveXが必要となる事とフォントやアニメーションの再現性が低くなる為、最近ではあまり使われないようです。
PDFが候補として上がりますが、アニメーションが再現できない事やhtmlとの連携が難しくなります。(Acrobat9の上位版では同封されているAdobe Presenterでアニメーション付で作成可能)
このニーズは非常に多いらしく、Flashに変換する、ビデオ込みのコンテンツを作成する、Google Docs等、様々な製品が販売、サービスがあります。
MSでの動きは鈍かったですがPowerPoint2010ではスライドショーの様子をWMVビデオ化する機能が付きました。PowerPoint2007以降多彩になりすぎたアニメーションを現状のHTMLで再現するのは難しくなったのでしょう。

機能

「ファイル」-「共有」-「ビデオの作成」を選ぶと下記の画面が出てきます。ここで用途とナレーションを使うかどうか選択します。

ナレーションは以前からあった「ナレーションの録音」相当の「スライドショーの記録」であらかじめつけておきます。
この時のナレーション、操作のタイミングでビデオが作成されます。

ビットレート

あらかじめ、決まったものを使う様です。

用途 解像度 映像ビットレート 音声ビットレート
コンピューターおよびHDモニター 大 960×720 7115k 320k
インターネットおよびDVD 中 640×480 640k 320k
ポータブル メディア デバイス 小 320×240 417K 320k

ビットレートが全体的に高めになっています。音声が320kというのは高すぎる気がします。これだとストリーミングサーバを置かないとつらいですね。

再現性

アニメーション等そのまま再現されます。試しにPowerPoint上にビデオを貼り付けてみましたが、そのままビデオ化されました。ActiveXの他のコンポーネントでも大丈夫かと思います。(最大化等は試していません)

画質

大ならば良いですが、小になると文字が判読がきついです。ノイズも目立ちます。

安定性

私の環境ではビデオ映像が乱れたりしました。昔試した時の環境ではおかしくならなかったのでハードに依存する部分があるのかもしれません。
まあβ版ですし・・・

感想

文字情報を読み取ろうとするとどうしてもファイルが膨らみ、配信用途に利用するのにはきつくなります。
映像は小にしてPowerPointはPDFで添付して配信するのが現実的です。OFFICE2007以降はPDF出力も標準で持っているのでPowerPoint2010単体でここまでできるのでしたら十分な気がします。
OFFICE2010ではライセンス形態の変化やGoogleに対抗したOnline版など今までにない変化があります。今回は試しませんでしたが、Web上の共有手段には「ブロードキャストスライドショー」のようにYouTubePowerPoint版の様なPowerPoint Brodecast Serviceも用意されています。

雑記

個人的にはPowerPointに付加価値をつけたコンテンツがその手間に見合っただけの学習効果があるのか疑問です。実際のセミナースタイルを考えると無理にPC上ですべてを再現するのではなく、ビデオ+印刷資料の方が良いと思っています。iTunesなどのポータブルデバイスと密接したポットキャスト+印刷資料+Webによる確認テスト、コミュニケーションといったプラットフォームみたいなものを考えています。