eラーニングの動画配信(2)
今回はVODについてWMVとFLVについて簡単な比較をしてみたいと思います。
今ならほとんどのケースでFLVの方が有利な点が多いと思いますが、前回あげたような授業やセミナーのように使うならばWMVも考慮するべきです。
また、WMSであればほぼすべてのレンタルサーバはWindowsサーバ上でWindows Media Serviceによりサービスを提供していますが、FLVの場合は本家Flash Media Server、互換サーバであるRed5などどれを使っているかによりできることが変わってくるので注意が必要です。
項目 | WMS+WMP | WMS+SilverLighit | FLV |
---|---|---|---|
1.再生時間 | - | - | - |
2.静止画 | △ | △ | ○ |
3.スロー再生 | ○ | × | × |
4.時短再生 | ○ | × | × |
5.しおり機能 | ○ | ○(WMPに比べてレスポンスが遅い) | ○(Streaming時のみ) |
1.
FLVでプログレッシブダウンロードの場合は向いていません。ストリーミングでならば良いかと思います。
2.
エンコードのパラメタをいろいろ弄ればある程度解消できますが、WMVで用意されている標準的なプロファイルではホワイトボードの文字やPC画面のキャプチャーなど読みづらく感じます。
ただし、PowerPoint2010ではスライドをWMVで書き出す機能が搭載されているので、このパラメタを参考にすればきれいなのかも?
3.
FLVのプレーヤーによってシークを工夫することで実現しているものもあるようです。
4.
これがあるからWMVを選択する事になるケースが多いです。(私の関わったシステムではそうなっています。そのためあまりFLVを触る機会がなかったです)
ただし、この機能の利用は帯域に深く関わることに注意が必要です。二倍速で再生するということはビットレートが500kbpsであれば1000kbpsの帯域が必要となります。
5.
しおり機能はプレイヤーに付いてないのでjavascriptまたはactionscriptで実装することとなります。ポイントとなるのは時間指定した時の挙動です。
プログレッシブダウンロードではその時間までのデータのダウンロードが終わるまでその時間に移動することができません。その為、30分のコンテンツで20分にしおりを入れた場合、すぐに20分のしおりから再生したくても20分のデータが読み込まれるまで待つ事になります。
ストリーミングであれば、その時間のデータから読み出すのでしおり機能が有効に利用できます。ただしPlayerとの組み合わせで動作しないケースがあります。(WMS+MacのFlip4Mac、GomPlayerなどではストリーミング再生中のシークは動作しない)
余談ですが、YouTubeはダウンロード型だと今まで思っていましたが、最近だとストリーミングになっているみたいですね。コンテンツによっては動画画面上で右クリックすると「Show Video Info」が出てきて選択すると配信中の動画情報が表示されます。これを見ると「streaming HTTP」で転送状況が確認できますが、プログレッシブダウンロードとは異なる動きをしています。
ニコニコ動画はプログレッシブダウンロード型なのでシークバーやコメントでまだ読み込みされていない時間を再生しようとすると読み込みが終わるまで再生できない動きとなります。
次回からはWMVで経験してきた事をSilverlightやIIS Media Serviceなどをからめて書いていきたいと思います。