Windows Media Serviceのクライアント(Windows版)

WMVを配信する方法としてはWindows Media Serviceが一般的だと思います。WMSIISと同様にOSのバージョンと密接な関係があり、バージョン毎にファストキャッシュや利用プロトコルの違いなどがあり、注意が必要です。最近ではWindows Media Service 2008 R2のリリースが予定されていますが、遅れているようです。
WMSのクライアントではWindows Media PlayerSilverlightの二択になるかと思います。ともにDRMコンテンツの視聴ですしシークも可能です。

Windows Media Player

 Windowsだとはじめからインストール済みなのでユーザにインストールしてもらわなくてすむのが魅力です。
 とはいっても最新版をインストールしないと見えないコンテンツも存在します。またWindows Media Service 2008で搭載されたアドバンスドファストキャッシュに対応するにはWMP10以降が必要となります。

  1. 長所
    1. Windowsの場合、はじめからインストールされている。(とはいえ最新版をインスールした方がよい)
    2. 埋め込むだけで視聴可能。
    3. 再生速度が変更可能。
    4. 音声の聞き取りが可能な時短再生が可能。
  2. 短所
    1. WindowsIEでしか利用できない。
    2. Javascriptで制御可能ではあるが、スライドとの同期等凝った事をやろうとすると煩雑になる。
    3. オーバーレイ表示などのリッチな表現が不可能。

Silverlight+WMS

 SilverlightでもWMSでのVODの視聴が可能です。ニュース系のサイトだけ見ると サーバ側が「Live Smooth Streaming」の例ばかり取り上げられるのでそういった誤解が生じるのかと思われます。
Silverlightに切り替わったGyao音泉でも配信自体はWMSで行われています。

  1. 長所
    1. マルチプラットフォーム動作が可能。Macでも同じように閲覧可能。
    2. マルチブラウザ対応。IEだけでなくFireFoxでも閲覧可能。
    3. Flashと同様に独自のプレイヤーが作成可能。オーバーレイで映像の上にボタン等の配置が可能。
  2. 短所
    1. Silverlightインストールが必須。
    2. 再生速度のコントロールが効かない。WPFでは再生速度のプロパティがあるが、Silverlightには存在しない。
    3. 一部利用できないフォーマットがある。最近ではあまり使わないとは思いますが、PC画面のキャプチャーに利用する 「Windows Media Screen 」は再生できない。
    4. ASXにも一部使えない機能がある。(利用することはあまりないと思いますが)
    5. 必ずプレイヤーを実装する必要がある。(Microsoft expressionにサンプルのプレーヤーがあるのでこれを利用する方法もある)

詳細は下記リンクを参照してください。


現在は前々からこだわっている時短再生さえ無ければ、Silverlightの方が有利な点が正直有利な点が多いです。
WindowsIEではWMPを埋め込み時短機能が利用できるようにして、他のプラットフォームではSilverlightを埋め込んでいるベンダーもあります。

早いところMSの方が可変再生に対応してくれれば良いのですが・・・。Silverlight4のRCの搭載されていれば良いのですがねえ。

実はもう一つの選択としてWindowsシリーズに限ってFireFox用にWindows Media Player プラグインがあり、時短再生は可能なので利用してみましたが、いろいろ問題があります。

次回はFireFoxWMPプラグインで経験した問題点について書いてみたいと思います。