電子出版のセミナー参加

 新潮社の方の電子書籍に対するセミナーを聞きましたが、どうも連日報道されている既存出版の危機論と大分違うように感じました。騒がれているほど出版社は驚異に感じていないのでは?
 今回はeラーニングと電子書籍ということでのセミナーでしたが、プレゼンターの方曰くどうしてeラーニングで電子書籍が必要とされるのかイマイチよく分からないとの事でした。

前提としての日本人の読書数

1ヶ月でほどんど本を読まない人が40%
一ヶ月で1〜3冊が45%くらい

 想像以上に読書数が少ないです。読者数が電子書籍で拡大するとは思えません。
 本を読む45%のうち、電子書籍に興味を持つのがどのくらいいるのだろうかと考えると現時点でマーケットが多いとは思えなくなってしまいます。

売れ筋

 国内の売り上げ一覧を見ると、見事にピンク色。
 価格も300円以下のものが大半。
 今後、BLにも期待できる。

 やっぱりビデオデッキと同じで売れ行きはエロに依存するみたいです。あと腐女子もターゲットに・・・
 また、高い物は売れないですね。

バイス・フォーマット問題

 現在の書籍に置き換えられるデバイスがない。価格も高く、解像度も足りない。
 日本人の読書スタイルが西洋と異なる。電車など移動中に読むため、携帯性が重要。

 今回初めてAmazon Kindleに取り込んだ週刊誌を見ましたが、読むのにはストレスを感じました。文字が主体の文庫ならば良いですがまだまだ解像度が足りません。
 なんか初期のIBM PC英語圏では実用的に使えたけど日本では漢字を表現すると解像度的にまともに使えなかったのと同じ状況な気がします。

価格

 出版社にとって電子出版にして今と同じ粗利を持つには紙の20%OFF程度の価格となる。
 1500円の本が1200円

 一般消費者にとってはちょっと期待はずれな気がします。

電子出版と出版社

 電子出版で自費出版ができるようになったとしても、自分で宣伝するのには限界があり、出版社の宣伝や編集、ファイナンス能力は今後も必要となる。
 出版権は電子化権に及ばないので、電子化は必ず著作権者に許可をもらう必要がある。

 出版社の方なので、現在本屋で販売している書籍類についてはこうなるのでしょう。